社会人になって、電車で通勤することが多くなり、朝のラッシュに巻き込まれることもしばしばあります。
私の最寄り駅は終着駅に近いので、朝は基本的に座ることはできません。
手持ちの荷物や体力の消費も少ないので、特に不便さは感じていなかったのですが、仕事にも慣れ始めたころに私の中でずっと心に残っているある事がおこりました。
ある男の子が満員電車の中で座れずに重たい荷物を持ちながら、電車に揺られるおばあさんに声をかけ席をゆずってあげたという話です。
学生時代に電車で困っている人がいたら手を差し伸べよう!とよく言われていました。
大人になってSNSなどでも、この手の話はよく目にするのですが、こんなこと本当にあるのかな?と少し疑っていました。
しかし、朝の通勤ラッシュで、昔聞いたままのおばあさんが座れずに立っていました。
周りのみんなは気が付いている感じはしていたのですが、座っている学生やサラリーマンの方は席を譲ろうとしませんでした。
やっぱりこういうときに声をかけるのもなぁ、と思っていたときに電車に乗り込んできた高校生くらいの男の子がいました。
先に席に座っていた男の子の友達らしく、座っている友達に
『なんでそんな普通に座ってられるんだ!』といいおばあさんに席を譲らせました。
この光景にあっけにとられていたのですがもっと感動したことがありました。
おばあさんはお礼の言葉を言った後、続けて
『おにいさんたちは、私たちと違って、これからもっとこの足でお仕事をしていくんだから、どうかケガだけはしないでね』と声をかけたのです。
学生たちが電車を降りるとき『おばあさん、また会ったらよろしくおねがいします』といい降りていきました。
たった数分のことでしたが、この言葉が電車に乗るたび頭をよぎります。
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