弱い性格と社会の厳しさから転職経験を重ね、誰もが体験するような職業から学ぶ人間修行をご紹介します。
私はもともと、自動車教習所の指導員として勤務していました。
しかし意志が弱く(性格的なもの)、嫌な人間に出会うとすぐ人のせいにしてその職場を去ることが多かったのです。
幸いにも資格がありますので、他の自動車教習所に転職する方法を使い又別の教習所で仕事が出来るので、嫌なことがある度に他の教習所へ行き、自分の主張を勝手に行い好き勝手に仕事をしていました。
ある日、全ての教習業務が嫌になり、教習業務全てを回避する判断に至り、教習所とはまったく関係のない職場に転職を希望しました。その時の体験をお話します。
この新しい職場は、パン製造を輸送する運送会社で夜中に輸送をする教習所とは正反対の業務です。相手にする仕事は人間ではなくパンなんです。
だから余計なことを考えず物だけをこだわればうまくいくような気がしましたが、それこそが考えの甘さの境地でした。
業務内容は午前12時に出勤。タイムカードを打ち込み、3tのトラックを取りにいきます。
その後トラックをホームに着け、商品を積み込みます。
配達エリアは埼玉県圏内で主に北部47箇所の配達で商品であるパンは食パンや菓子パン、ケーキなど様々で、すべてプラ製の箱に積み上げられています。
伝票に記入してある商品、配達店名、数量を確認して積み込み、配達先に向かいます。それぞれの得意先の開店時間までにはすべて配達しなければならないので結構重労働です。
それでも人にかかわらないことが自分にとってとても幸運だったような気がしました。
ところがそんなに世の中甘くはありません。最初は見習いで始めその付き添いに班長がついて教えてもらいました。しかし、パンの運搬に時間がかかり、初心者である私の作業が5分ずつ
(47箇所x5分ですから235分の遅れ)、合計すると約4時間もの遅れになり深刻でした。
遅れるたびに班長の激が飛びます「何やってる!開店してしまうぞ!」その言葉を聴くたびに嫌になってしまいます。
しかし、この訓練を繰り返します。配達の商品の運び方、行動の要領、店に置いてある空箱を回収し、商品を出しながら空箱を回収してトラックに格納する。
私はいい年なのに、はんべそをかきながら班長の言葉に徹しました。
2週間くらいでしょうか?班長が一言「ほらやればできるじゃねーか!」と褒めてくれたときはさすがに泣きました。
今まで教習所も指導員だからと威張っていた自分がこの職場で極めることの大事さというか怒られるという本当の意味を知ることが出来ました。
全ての自分の体験が正しいなんてことはないと思いますが無理だと思っていたことが出来た時の達成感は忘れることは出来ません。
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