「愛を注いでごらん」小さい言葉の魔法

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主人から聞いた話です。

先日、彼は臨時採用で教職の仕事を任されました。期限は1ヶ月。

仕事を遂行することには自信があったそうです。しかし、彼は休職中の教師からクラス別の授業内容や試験の資料まで何も申し伝えがなく進めることとなりました。

彼は、他の教師と話し合い、
「自分のやりたいように進める」ことを承認してもらいました。いざ教壇に立つと、試験間際で緊張する生徒達から
「休職中の先生と同じように授業をしてほしい」と希望が出たそうです。

しかし、彼は自分の授業を全うしました。批判も出ました。しかし、授業を進めるにつれ生徒達は、彼の授業の方がわかりやすい、と好感を持ってくれたのです。

でも、彼はひとつ、休職中の教師のことが気になって仕方がありませんでした。彼は1度彼女と電話で会話したそうですが、互いに打ち解ける隙がない、彼女は彼にフレンドリーになるつもりはないのだ、と実感しました。

そして、彼の任期も終わる頃、同僚の教師達から彼女について聞きました。

彼女は長年この学校に就いているベテラン教師でした。しかし、仕事もプライベートも忙しい彼女を助ける人は誰もいませんでした。

彼女も、他人に対して壁を作っていたのかもしれません。私の主人はそれを理解し、彼女には自分の1ヶ月の授業内容だけをレポートし伝えました。

授業最後の日、生徒達は独自に工夫をし、彼にメッセージや感謝の気持ちを贈ってくれました。そして、
「あなたがずっといてくれればいいのに」という生徒達に囲まれました。

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主人は、生徒の気持ちについては嬉しかったそうですが、少し寂しくもなりました。戻ってくる教師はどんな風に教壇に立つのだろうか、と考えました。

生徒は簡単に人を比べて
「いい人」を受け入れ、「嫌いな人」を拒絶します。自分の存在は、生徒や戻ってくる教師にとってよかったのだろうか、と考えました。

彼は
「もし僕の授業で君たちが少しだけ成長したな、と感じたのなら、君たちはきっと戻ってくる先生の授業も理解できるはずです。僕と君達の先生は全く同じことを教えてるんだよ。」と言いました。

何人かは「あの先生嫌い」と言い出しました。

彼は、彼らに
「人にはちょっとだけ愛を注いでごらん。これが僕が授業で一番教えたかったこと。最後の宿題だよ。」と言ったそうです。

どれぐらいの生徒が「宿題」をこなせるかわかりません。

しかし、私は主人がきちんと教師としての仕事を全うしたのだなということだけは理解できました。

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