私は晴れて大学生になり、一人暮らしを始めた。
念願の私だけの「城」。
それは、小さなアパートだった。ひとりで自由に生活できること。私はそれを、大いに楽しんでいた。
一人暮らしにも慣れてきたある日のこと。
朝、玄関のドアに付いている新聞受けに新聞が届くようになった。契約した覚えはない。
「お試しということかな?」と思い、最初はあまり気にしていなかった。が、その後、新聞は途切れることなく毎日届けられる。
「お試しにしては長すぎないか?」と疑問に思い、近所の新聞店に行ってみた。
きっとこの新聞店から届けられているのだろう。新聞店に入ると、中年の男性が出てきた。
住所と名前を伝え、新聞が届くようになったことを説明した。すると、男性は
「契約されていますよ。」と。
「そんなはずはない。全く覚えがない。」と、私は力説した。
するとその男性は、「あぁ、これは営業○○社だね、たまにあるんだよ。」と答えた。
「よくあるの!?勝手に契約を作ることが!?」
私は驚いた。全国的に有名な大手新聞で、そんなことがあるのか。
今回は説明したら分かってもらえたけれど、もし分かってもらえなかったら・・・。いかにも若い人が住んでいそうなアパートだから、ターゲットにされたのかな。
世の中には、色々な危険がある。
一人暮らしだと、こういう事態に直面することもあるのだな、と思った。
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