南フランスへ旅行した時の話です。
フランスは社会保障が充実しているので近隣の貧しい国からの移民者がたくさんいて、そういった人達に街中でよく小銭を求めて声をかけられます、
観光中も頻繁に遭遇し、うるさいなぁとかうっとおしいなぁとか思っていました。
観光何日目かのある日街を歩いていると、私達の前を若い母親と小さな娘らしき女の子が歩いていました。
そしてその少し先でその母親と同じ年くらいの女性と、これまた同じ年くらいの小さな女の子が道端に座り込んで、道行く人々にお金を乞うていました。
その2組の親子がすれ違った瞬間、私の中で何か大きなショックを感じました。
女の子の1人はキレイなドレスを着ていて頭には大きなリボンが付いています。
かたやもう一方の女の子は破れた綿のズボンによれよれのTシャツ、頭はいかにも何日も洗っていなさそうなボサボサな髪。
両手を合わせてすがるような目でお金を無心する女性とまるでそれが視界に入っていないかのように素通りする同年代の女性、そして何もわからずに道端の石で遊ぶ汚れた女の子。
どういった気持ちで手を合わせているんだろうと考えた瞬間、胸がしめつけられるような思いがしました。
私は明らかに無心される側の人間です。
でもそれは私が頑張ったからではなく、運でしかありません。
その女性が頑張らなかったから小さな娘にキレイなドレスを着せてあげられないわけではありません。
そして何かが一歩違えば私がその女性で、その女性が私だったのかもしれないのです。
私は今まで特別幸せな人生だと思いながら生きてきたわけではありませんが、恵まれた人生に感謝せずにはいられない瞬間でした。
コメント